カテゴリー:平和のために]
社会制度(社会的ルールと社会的組織)は、社会問題の解決策です。国家は、社会的組織の一つであり、戦争は国家による問題解決策の一つとみなされています。
国家は、問題解決策としての暴力を国内で禁止します(これが国家が解決すべき中心的な社会問題(万人の万人に対する争いを防いで、どのようにして個人の安全を保障するか)とその解決策です)。国家はそのために暴力装置を独占します。しかし、国家には、国家にだけ認められている暴力装置を用いて、国家間の問題解決策の一つとして戦争を行うことが可能です。
どのようにして国家間の問題解決策としての戦争を防ぐかといえば、戦争に代わる問題解決策を採用するしかありません。戦争のきっかけになりそうな国家間の問題には、次のようなものがあります。領土問題、他国の軍事的脅威の問題、資源の奪い合い、経済競争、など。戦争によらずにこれらを解決するには、話し合いしかありません。利害の対立を、話し合いで解決するにはギブアンドテイクによる妥協が必要です。しかし、妥協が成立するとは限りません。その場合には戦争の可能性が残ります。戦争を防ぎ、永遠平和を構築するには、国家が軍事力を持つことを禁止するしかないでしょう。
それを明文化したものが、日本国憲法9条です。
「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。」
Article 9. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes. In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.
永遠平和のためには、軍事力の放棄を国際法として実現することが必要ですが、それをどうやって実現したらよいのでしょうか。